西 新

 西新―。東京で言えば、銀座に対する新宿。つまり西新は。福岡市の副都心。町の体裁は、まだ副都心にふさわしいものではないが、やがて、ここに地下鉄のターミナルができ、町が整備されれば、西に伸びるふくおかの拠点になるには間違いない。

 西新は、活気のある町。生きた町。車も人間もボヤボヤできない町だ。

 朝夕のラッシュ時、ここの交差点に立つおまわりさんと、白いヘルメットの交通巡視員さん。べっとり汗をにじませて、懸命の交通整理。一歩間違えば、大きな交通事故が起きかねないだけに、そのまなざしは真剣そのもの。

 ここの二つの交差点は、福岡市屈指の交通渋滞の場所。電車、バス、マイカー、オートバイ、自転車が、押し合い、へし合い。先を争って交差点を曲がろうとする。そしてその間を縫うように、姪浜や、原方面からリヤカーを引いたおばさんが元気に歩く。

 西新の露天商は、西新だけじゃない。福岡の名物だ。タコ、イカ、シャコ、カニ、エビ、ナスビ、白菜、大根。巨峰にミカン。そして、とろろこんぶに、田舎づけ。

 「奥さん、買っていきんしゃい」

 おばさんたちは、健康そのもの。