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電停前にいちょうの大木。かつての炭鉱主中野氏が、金にあかせて建てた豪華な屋敷跡。年うつり、星かわって、終戦後は駐留米軍のクラブになり、それからボウリング場、いまは駐車場。すでに往年の豪壮邸宅の面影はない。
駐車場の前の元裁判所跡に貯金局が建ち、昔の武家屋敷跡には、マンションと、スーパーマーケットが電車通をはさんで向かい合っている。
この電停に、最近、変わった風景が見られるようになった。メジャーを持った西鉄職員がさかんに測量をはじめている。
町のたたずまい、人の動きは、ちっとも変わっていないのに、地下鉄建設の動きは、人の目につかない形で、着々と進行している。停留所の安全地帯も今月いっぱいの寿命である。電車道をはさんだ両ワキの商店街も、工事が始まってみないと、どんな影響をうけるのか、ソロバンがはじけないと、音もなくしのびよる着工日に不安の色をかくしきれない。
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