薬院大通り

 珍しいといえば「薬院大通り」「南薬院」と〃薬院〃の名がつく停留所が隣り合わせ。利用者が間違うのでないかとの心配も生まれるが、それはよそものがする心配で、市民がこのために不便を感じたことはなかった。

 ここの四つ角。電車が走っていたつい最近まで、市内でも屈指の〃交通難所〃だった。とにかく、電車軌道の上を、バスやマイカーがわがもの顔で高宮、一丁目、六本松方面に横切っていく。おとなしい電車は、軌道の上に、じっと立ち止まって、軌道の上の横着者どもが軌道をあけてくれるのを待っている。こうなると乗っている乗客がたまりかねて「この電車はどうなっているんだ。軌道は電車に優先権があるんじゃないか」とブツブツ。とはいっても、現に軌道に車がしゃしゃり出て来ては電車も動けない。「ポー、ポー、チンチン」運転士が神経質に警笛を鳴らし、やがて、人間が歩くくらいのスピードで「発車オーライ」